米国Intelは8月16日、家庭や小規模企業向けストレージ・アプライアンス用の最新Atomプロセッサ・ベース・プラットフォームを出荷したと発表した。最新プラットフォームはパフォーマンスが向上しており、新しいメモリ技術をサポートするとしている。

このプラットフォームは、新しい1.8GHz Atomプロセッサ「D425」(シングルコア)または「D525」(デュアルコア)とIntelの「82801 IR I/O Controller」の組み合わせとなっている。。どちらのプロセッサ・プラットフォームも米国MicrosoftのWindows Home ServerとオープンソースのLinuxの両OSをサポートする。

D425とD525は、クロック周波数の向上によって高速なストレージ処理を可能にするほか、次世代メモリ技術「DDR3 SODIMM」をサポート。DDR3 SODIMMデュアル・インライン・メモリ・モジュールは、現在のSDRAMと比べて2倍のI/Oデータ・レートを実現する。

Intelは今年3月、家庭や小規模企業向けのNAS(Network Attached Storage)用の新しいAtomプロセッサ・プラットフォームを発表した。

このプラットフォームは、1.66GHz Atomプロセッサ「D410」(シングルコア)または「D510」(デュアルコア)と82801 IR I/O Controllerをバンドルしたもので、ハイパースレッディング(処理の並列化)と最適なデータ処理ファームウェアにより、高負荷I/Oワークロードの処理に最適化されたハードウェア・プラットフォームを実現することを目的としていた。

このプロセッサ・プラットフォームでは、動画処理などポピュラーな消費者向けアプリケーションのパフォーマンスが85%向上するとされていた。

今回発表されたプロセッサ・プラットフォームは、PCI Express 6レーン、USB 12ポート、eSATA 2ポートに対応している。

これまでに台湾Acer、米国Cisco Systems、米国LaCie、韓国LG Electronics、米国NETGEAR、台湾QNAP、米国Super Micro、台湾Synology、台湾Thecusなどのベンダーが、Atomプロセッサ・プラットフォームを搭載したストレージ製品を発表していると、Intelは述べている。それらの多くがすでに販売されているほか、年内に新しい搭載製品が登場するという。

「LaCieは最近、IntelのAtomプロセッサ技術を採用した2種類のストレージ・サーバを発表した。これらにより、これまで大企業のIT環境でのみ利用されてきたエンタープライズ・レベルのストレージ機能を中小企業にも提供していく」と、LaCieのソリューション・ビジネス・ユニット・マネジャー、アーワン・ジラード(Erwan Girard)氏はIntelの声明で述べている。

Intelのストレージ・グループの製品ライン・マネジャー、ディネシュ・ラオ(Dinesh Rao)氏は、「新しいAtomプロセッサを採用することで、ストレージ・ベンダーは、ユーザーがデスクや棚に置いてじゃまにならず、デジタル・コンテンツを安全に保存し、いつどこでも利用できる省電力アプライアンスを開発できる」と声明で述べている。

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